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旭の隠している過去を暴くため、記者・砂羽は紘海に「被害者の母」として取材に応じるよう依頼する。砂羽はなぜ今でも旭を追及するのか、その真意を紘海だけに打ち明ける。

しかし、旭の姿を間近に見てきた紘海は、彼が完全な悪人だとは思えず、心は揺れ動く。

一方、玖村は梨々子との食事の席で、葉山で撮られた写真を見せられる。その中に、旭の部下「中越さん」の姿があり、見覚えがある玖村は彼女の正体を確かめようと動き出す。

そんな中、紘海は娘・美海の帰宅が遅くなり、駅員の柊との親密さに気づき大喧嘩。美海は家を飛び出してしまう。同時に旭の元には梨々子が倒れたという知らせが入り、しかも誰にも会いたくないと拒絶される。

この一連の出来事が、紘海と旭の距離を縮めるきっかけとなる。紘海は、旭が抱える苦しみを知り、彼のそばにい続けることができないと判断し、ある重大な決断を下す。

紘海（北川景子）が仇である旭（大森南朋）の元で働いていることが、週刊誌記者・砂羽（仁村紗和）に知られてしまう。紘海は、砂羽の態度から自身の正体がバレていると察し、警戒を強める。一方、紘海の真意を知りたい砂羽は、密かに彼女を尾行し始める。

そんな中、旭にとって悲願であったスーパーの関西進出が決定。クライアントである藤田正臣（大門正明）が東京に来ており、旭と木戸（中原丈雄）は葉山の別荘で藤田とその家族をもてなすホームパーティーを計画。準備を任された旭は、梨々子（平祐奈）にも協力を依頼する。

一方、砂羽から「旭が元部下・鷲尾（水澤紳吾）に500万円の口止め料を払っていた」と聞かされた紘海は、10年前の事故当時、玖村（阿部亮平）が目撃した旭と鷲尾の言い争いの場に梨々子もいたことを思い出す。もしかすれば、梨々子も何かを聞いていたのではないかと疑念を抱く。

そこで紘海は、親しくなった望月（筒井道隆）に梨々子のことをそれとなく尋ねる。望月は「近々ホームパーティーで会う」と話し、紘海はその場に参加したいと申し出る。望月はすぐに旭に交渉し、紘海もホームパーティーへの参加が決定。

仇の家族に接近するチャンスを得た紘海――ついに事件の真相に迫る鍵が、梨々子の記憶の中にあるのかもしれない。緊張感漂う駆け引きの幕が開く。

『yukiデリ』元調理責任者・鷲尾（水澤紳吾）の告発動画が公開され、お客様相談室の紘海（北川景子）たちは衝撃を受ける。

しかし、旭（大森南朋）は動画内容を完全否定し、「デタラメだ」と一蹴。さらに、10年前のアレルギー事故をめぐり疑いの目を向ける望月（筒井道隆）に対しても、「お前に隠していることは何もない」と言い切る。

その日の昼、偶然にも旭と食事を共にすることになった紘海は、会話の中から旭が失踪した次女・萌子の生存を今も信じていることを知り、大きく動揺する。

さらに夕方、学校帰りの美海（一色香澄）が「紘海の職場を見てみたい」と最寄りの『スイッチバック』店舗を訪れていたことが判明。旭が日に数回売り場を巡回していると聞いていた紘海は、2人が遭遇するのではと不安に駆られ、慌てて店舗へと駆け出す。

一方、望月は砂羽（仁村紗和）に再び接触し、10年前の事故に関する取材をやめるよう警告。しかし逆に、旭が鷲尾に事故の責任をなすりつけた証拠があると突きつけられ、疑念はさらに深まる。

そのことを知らない紘海は、旭の腹心とも言える望月が秘密を握っていると考え、偶然を装って居酒屋に1人でいる彼に接近。真相を探ろうとする。

一方その頃、駅で電車を待っていた美海は、スマートな所作の駅員・柊大地（小林虎之介）に目を引かれ、密かに興味を抱き始めていた――。

紘海（北川景子）は旭（大森南朋）が隠している“何か”を突き止めるため、彼が常務を務める『スイッチバック』に就職。配属先は、旭の肝いり部署であるお客様相談室だった。

お客様の声を仕分ける業務を任された紘海は、旭がすべての声に目を通していると知り、その真面目さに意外性を感じる。そんな中、月に数回、特定の店舗に旭への誹謗中傷が投函されていると発覚。内容の一部には「ユウキアサヒ、幼児殺し」といった不穏な言葉が記されており、紘海の関心を強く引く。

一方、雪子（原日出子）は紘海の娘を名乗る美海（一色香澄）の存在が気になっていた。13年前、紘海に妊娠の事実はなかったはず。美海は一体誰の子なのか――。その疑問が頭を離れない。

そんな折、美海が突然保育園を訪ねてくる。雪子に笑顔で挨拶し、「母には聞けないことがある」と語る美海。その問いかけの中に、隠された過去の鍵があるようだ。

同じ頃、職場の歓迎会に参加していた紘海は旭についてさりげなく話を振る。すると、旭が『yukiデリ』から多くの部下を『タイナス』へ連れていった一方で、ただ一人だけ見捨てた人物がいたことが判明。その人物が、旭の過去と「幼児殺し」の噂に関わっている可能性が浮上する。

紘海（北川景子）は、娘・美海（一色香澄）の幸せを第一に考え、実の娘のように中学1年生まで育ててきた。その裏では、旭（大森南朋）への激しい憎しみを胸に秘め続けていた。

ある日、保育園近くの自販機で飲み物を買おうとした紘海は、偶然にも自販機業者として現れた玖村（阿部亮平）と再会する。玖村はかつて、梨々子（平祐奈）の家庭教師だった人物。雑談の中で紘海が美海の思春期の悩みを打ち明けると、玖村は「女の子のことはわからない」と語り、自らの過去を明かす。

玖村は、女子生徒からセクハラの濡れ衣を着せられ、SNSで嘘を拡散された結果、内定を取り消され、人生が一変したという。驚きつつも彼の境遇に同情する紘海だったが、玖村が出入りしていた家が“結城家”と聞くと一気に表情が変わる。

さらに玖村は、旭を「人殺し」と非難。紘海は、旭が『タイナス』で常務となり、現在は『スイッチバック』という新業態スーパーを立ち上げたことを知る。そして、社員募集の記事を目にしたことで、旭への怒りが再燃する。

娘を奪われた過去がまざまざと蘇る中、「人殺し」という言葉の真意を確かめようと、紘海は再び玖村と会う決意をする――。

萌子（倉田瑛茉）が“中越美海（前田花）”として紘海（北川景子）と暮らし始めて、3年の月日が流れた。
外から見ればごく普通の母娘に見える二人だが、紘海は依然として美海を人目に触れさせないよう神経を尖らせる日々を送っていた。

保育施設に預けることもできず、紘海は昼間は保育園の調理師として働き、仕事終わりに初芽（小川李奈）へ美海の世話を頼んでいた。
明朗快活な6歳になった美海は、3歳までの記憶を一切持っていない。

一方、娘を失ったはずの旭（大森南朋）は、義理の父・木戸雅人（中原丈雄）が経営するスーパー『タイナス』に入社。
新たなスーパー『スイッチバック』を立ち上げ、木戸の後継者とまで目されるほどの地位を築いていた。
しかも、旭は萌子の生存を信じ、懸賞金をかけて捜索を続けていた。

そんな状況を知らない紘海は、美海の小学校入学を控え、戸籍問題に直面する。
「このままでは通えない」
現実を突きつけられ、紘海は覚悟を決め区役所へ向かう。
そして、ある重要な人物に連絡を取り、重大な一歩を踏み出そうとする――。

娘への愛と、重すぎる秘密。
交錯する運命の歯車が、再び動き始める。

紘海（北川景子）は、知らぬ間に車に乗り込んでいた萌子（倉田瑛茉）を自宅へ連れ帰る。

これは、娘を奪った男・旭（大森南朋）への復讐のため。
「同じ苦しみを味わわせてやる」――。

だが、いざその命を奪おうとした瞬間、紘海の手は震え、どうしてもその一線を越えることができない。むしろ、無邪気に笑う萌子に、亡き娘・灯の面影を重ねてしまう。

一方、結城家では萌子が姿を消し、心配で憔悴する旭が刑事たちに状況を説明していた。

そんな中、家庭教師の玖村（阿部亮平）が「家の近くで不審な女を見た」と証言。刑事に心当たりを尋ねられた旭は答えを詰まらせるが、隣にいた望月（筒井道隆）の脳裏には“あの女性”の姿が浮かぶ。

そして、父との距離が縮まらない長女・梨々子（平祐奈）は、疲弊する旭を前に一言。「これは因果応報でしょ」と、1年前のアレルギー事故を持ち出す。さらに、愛情不足に悩む梨々子は、ある“危うい方法”で心の隙間を埋めようとし始める。

その頃、紘海は萌子に「お母さん」と呼ばせ、娘を失った心の穴を埋めようとする。だがその行動が、さらに事態を複雑にしていく。

そこへ突然、家のチャイムが鳴る。引っ越してきた隣人・野口初芽（小川李奈）が挨拶に訪れる。よりによって、萌子の姿を見られてしまう――。

表向きは平静を装った紘海だったが、内心は焦りと不安に満ちていた。その夜、彼女は萌子を連れて、ひと気のない海へと車を走らせる。

“もう、戻れないかもしれない”
揺れる母性と復讐心。紘海の選択は、想像を超える結末へと向かい始める――。

皆川紘海（北川景子）は、保育園の調理師として働きながら、夫の景吾（高橋光臣）、そして3歳になる娘・灯（石原朱馬）と幸せな日々を送っていた。

ところが、灯の誕生日に惣菜店『YUKIデリ』で買ったピザが、全てを一変させる。家族での祝宴の最中、ピザを一口食べた灯が突然苦しみ出し、そのまま帰らぬ人となってしまう。死因はエビによるアナフィラキシーショックだった。

娘のアレルギーには細心の注意を払っていた紘海は、エビの表記がないことを確認したうえでピザを購入していた。しかし警察の捜査では、アレルギー食材の混入経緯は特定できず。

やがて『YUKIデリ』の記者会見で、社長・結城旭（大森南朋）の無神経な発言が、世間と遺族の怒りに火をつける。店は倒産し、旭は社会的信用を失い、共同経営者だった望月耕輔（筒井道隆）も職を失った。

深い悲しみと罪悪感、怒りに押しつぶされた紘海は景吾と離婚。たった一人で、娘を失った喪失感と向き合いながら、復讐心を胸に秘めて生きることを選ぶ。

――それから1年後。

紘海が通い始めた料理教室で再会したのは、あの『YUKIデリ』の元社長・旭。彼はシングルファーザーとして、高校生の長女・梨々子（平祐奈）と幼い次女・萌子（倉田瑛茉）を育てながら、過去と向き合っていた。

娘の命を奪った相手への怒りが癒えることはない。
「同じ苦しみを味わわせたい」――紘海の中にくすぶる復讐心が、静かに、だが確実に動き出す。

悲しみと憎しみの果てに、人は何を選ぶのか。
深い喪失の先にあるのは、赦しか、それともさらなる罰か――。