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3月25日、瞳と一馬の結婚式の日に椎名家では、まきと阿波野が来訪し、雅彦が瞳の隣に立つための支援を行った。

しかし、瞳は雅彦に気づかれぬよう会場へ先に向かった。雅彦は寂しさを感じつつ、故妻の写真に話しかけ、まきと阿波野の助けを借りて外に出た。

式場で雅彦が見たのは、瞳からの愛情あふれる最後のプレゼントだった。瞳と一馬の結婚式は、父娘の絆、周りの人々の支えがあって完成した。

3カ月間の感動的な時間を経て、春を迎えた時、彼らの日常はどう変わるのかという思いが語られる。

亜弥の陣痛が始まり、初めてお産を任された瞳は緊張する。亜弥は夫の祐作と共に助産院へ向かい、分娩室で出産を迎えた。

一方、亜弥の両親も到着し、母は励ますが、父・義昭は複雑な感情を抱えていた。出産は長引き、亜弥は疲労困憊。瞳は亜弥と祐作の決断を思い、助産師として励ましの言葉をかける。

同時に、病床の雅彦は自身の葬式に呼ぶ人のリストを作り、瞳に家に帰りたいと訴える。瞳は雅彦の願いを受け入れ、自宅で過ごすことを決める。

雅彦は家族の支援を受けながら自宅へ戻るが、心には後悔があった。その後悔を瞳が知るところとなる。

岸が勤める葬儀場を訪れた雅彦は、自身の葬式をパーッと楽しいものにし、遺影には弔問客が思わず笑ってしまうような写真を使いたいとリクエストする。この類を見ない依頼に対し、岸は戸惑うものの、瞳が遺影の写真撮影を行うことを提案し、瞳も父の願いを叶えるために了承する。椎名家での撮影会は、岸と美奈子も加わり、和やかな雰囲気の中で進められ、雅彦は明るいポーズで遺影用の写真を撮る。その姿に、瞳はあきれながらも愛情を感じてシャッターを切り続ける。

雅彦には「死ぬまでにやりたいことリスト」の未達成項目が残り三つあり、その一つが12歳の時に埋めたタイムカプセルを掘り出すことだった。しかし、体の痛みと体力の低下で諦めかけていたその時、瞳と一馬が代わりにタイムカプセルの現地調査に行くことになる。小学校に到着すると、彼らを待ち受けていたのは工事用のフェンスだった。

雅彦は瞳と一馬の結婚を認め、二人は雅彦のための結婚式にすることを黒沢と舞衣に相談する。一方で、雅彦は増え続ける痛みに耐えかね、引退を決意する。社長の中井は雅彦の最終日に自社初のオリジナル商品の実演販売を計画。瞳は、結婚式の準備中にも関わらず、雅彦の健康状態が悪化していることに心を痛める。瞳は雅彦に結婚式の招待状を手渡し、ウエディングドレス姿を見せる約束を取り付ける。

瞳の忘れ物を届けに助産院を訪れた雅彦は、節子に声をかけられ、瞳が夫婦に沐浴指導をしている様子を見学する。さらに、一馬を密かに呼び出し、将来瞳の支えになるよう話をする。最後の実演販売の日、雅彦は痛みに耐えながら売り場で頑張る。一馬やまきが働く雅彦を見届けに来るが、瞳の姿はなかった。

雅彦（木梨憲武）が開いた退院祝いがきっかけで、一馬（濱田岳）との間にあったわだかまりを解消した瞳（奈緒）。雅彦は、一馬や龍之介（石塚陸翔）と共に幸せそうに笑う娘の姿を見て、二人の結婚に反対しないと心に決める。しかし、雅彦自身は病により体調が悪化し、食欲は減り、手にしびれが出るなど、できないことが増えていく中で悔しさと不安を感じていた。

瞳は、「結婚までにやりたいことリスト」に「お父さんと旅行に行く。もう一度」と書き加え、それを実現するためにキャンプに行くことを提案する。雅彦の薬の量が増えていることを知り、体調を心配して躊躇していた瞳だが、まき（筒井真理子）から雅彦がその計画を楽しみにしていると聞いて覚悟を決める。さらに、雅彦の「俺に気を使うな」という言葉や節子（小林聡美）のアドバイスを受けて、美奈子（見上愛）と一緒に以前から行きたかったエステや料理教室に出かけることにする。しかし、そうしていても心の中は雅彦のことでいっぱいだった。

結局、瞳はキャンプ用品を大量に購入し、急いで家に帰る。一方で、瞳から「会って話したい」と連絡を受けた一馬は、「少し時間をください」と返事し、それは彼にしては珍しい反応だったが、彼はある決意を固めていた。

瞳は自分たち父娘が原因で一馬が芸人を辞め、龍之介が家出する事態に至った責任を感じ、一馬との結婚を断念する決意を表明する。一馬は衝撃を受けつつも、瞳の決断を理解し、受け入れる。

一方、雅彦は人生ノートを完成させた後、死を受け入れたはずが、瞳との別れを惜しみ、阿波野に心情を吐露する。さらに、雅彦は症状の悪化を隠し続けることが不可能になり、中井と加賀谷に自身が末期の膵臓がんであることを明かす。治療を拒否する雅彦の決意に、二人は無言で応える。

瞳は一馬との婚約解消により、雅彦への専念を決めるが、助産院での忙しさと夜勤明けの疲れにもかかわらず、心は落ち着かず、眠りにつけない状態が続く。

雅彦も瞳と一馬の結婚破談の知らせに喜べず、増す痛みと戦いながら複雑な感情を抱える。そんな折、瞳から結婚解消の報告を受けた岸が椎名家を訪れ、瞳の気持ちを考え、元気づけようとする。岸の優しさに触れた瞳は、再び助産院への道を歩み始める。